≪第3回(平成21年度)テーマ≫
恋
≪第3回(平成21年度)テーマ≫
恋
あなたを好きになって 私の笑顔が増えました
たあた
平凡な日常のなかの幸福感がでています。(笹本正樹)
この作品を読むと、読者も幸福のおすそわけ、笑顔になります。(田中美智子)
サフランの 香りの中で 溶けてゆく 二つの肌色 四つの瞳
真理子
花の中での妖精のような恋愛でオシャレです。(笹本正樹)
愛を領ちあう濃密な時間を「溶けてゆく二つの肌色、四つの瞳」と、表現した、ユニークな一首。(田中美智子)
ケータイが つなぐ二人の 糸電話
鉄琴サジタリウス
二人の仲の好さがユーモラスに示されました。(笹本正樹)
「声が聞きたい。思いを伝えたい」は、恋愛の第一歩。糸電話には、息づかいまで聞こえるような、臨場感があります。(田中美智子)
過去も未来も抱き上げて、つれて行って。
恋する乙女
まるごと自分を受け入れて強く愛してですね。(笹本正樹)
「抱き上げて」に、包容力のある彼に甘えている様子が伺えます。(田中美智子)
もぎたてのレモンを切れば音立てて恋の予感の飛沫飛び散る
小田中準一
恋の純粋な喜びがでていて好感を持てます。(笹本正樹)
レモンの飛沫から恋の予感を感受した、みずみずしい作者像が浮かびます。(田中美智子)
彼からの メールを待つうち 熱くなる 携帯電話と 私の気持ち
あかね
携帯電話と私の一体感がでていて切実ですね。(笹本正樹)
待つよろこびに高揚している作者。純粋な気持ちがストレートに出ています。(田中美智子)
携帯メールがなかったらきっと会う事出来なかった。私は全聾だから。携帯メールが初めて出た時、貧乏な貴方が私と連絡する為に携帯を買ってくれたの嬉しかったなぁ。
いのっち
男性の誠意がにじみでていて幸福感溢れています。(笹本正樹)
ケータイはふたりのホットライン。メールで芽生えた恋が、成就しますように。(田中美智子)
華やいだ声で待ち合わせる場所を 指定せられて もう舞い上がる
安田 翔光
「もう舞い上がる」に恋の歓喜みごとに表現されました。(笹本正樹)
「舞い上がる」という日常語が、作者の気持ちを素直に代弁しています。(田中美智子)
手のひらに乗せた粉雪溶けて消え そんな気がして言えぬ「好きです。」
涼鈴
淡い恋の想いが雪の比喩と結びついて純粋です。(笹本正樹)
言葉にすると消えてしまいそう・・・恋のよろこびと不安を詠った、ナイーブな歌。(田中美智子)
抱かれて はじめて聴いた 胸の鼓動 私だけが感じる 永遠のリズム
知念 奈美子
愛が永遠に続くようにとの願いも入っていますね。(笹本正樹)
「胸の鼓動」が新鮮。世界をひとり占めにしたような、よろこびでしょうか。(田中美智子)
はなれていても心はつながっているあなたと私 熱い想いがつれてきた恋人の聖地 肩寄せ合う宇多津の街 二人は恋人
橘弘美
恋人の聖地、宇多津を宣伝してくれて拍手です。(笹本正樹)
ぜひ、恋人の聖地・宇多津で愛の鐘を鳴らしてください。(田中美智子)
誕生日、ナマモノ届く…との彼からのメール。届いたものは彼でした。 香川と佐賀で遠距離恋愛の私にとって何よりも嬉しい誕生日プレゼントとなりました。
はっちぃ
「ナマモノ届ク」の表現が奇抜でユーモラスでした。(笹本正樹)
「ナマモノ届く」が出色。遠距離恋愛でも、行動力とユーモア感覚にあふれた彼との毎日は、楽しいですね。(田中美智子)
天文少年だった夫が 40年待った空 左手をかざし 薬指で受けた ダイヤモンドリング
日食ハンター
長い間待ったということで人生の宝石の時ですね。(笹本正樹)
スケールの大きい、ドラマチックな歌。ダイヤモンドリングが出来た感動の一瞬、「さあ君にダイヤの指輪をあげよう」とご主人が言ったのでしょう。(田中美智子)
刻まれる 野菜の音全部が 愛の歌
横山 真樹
人を愛するとすべてが喜びに溢れるのですね。(笹本正樹)
幸福は、朝の食卓からはじまります。健康的で明るい愛の歌。(田中美智子)
右側に あなたのいない 冬が来る
ハートブレイカー
愛する人がそばにいない虚無感がよくでています。(笹本正樹)
「右側に」と、場所の空白を詠うことで、さりげなく寂寥感を出しています。(田中美智子)
その瞬間がわかったよ。 あなたの瞳が輝いた 恋の始まりの瞬間
めぐみ
愛する我が子達へ… 毎朝、寝坊なパパを起こしてくれてありがとう。 朝からみんなの顔を見て起きると、パパ1日頑張れます。
亜衣
ヒグラシの 声に重ねる せつなさが 溢れて止まぬ 夏の終わりに
下弦の月
病床の ケータイメールで ひとときを しばし楽しむ 妻とのデート
宮越 良彦
校庭にフォ−クダンスの手をとりし 君がひとみを忘れかねつも
小倉 則男
令和相聞歌の選考委員の先生を紹介させていただきます。(50音順 敬称略)